キッシンジャー米中研究所「5500人追跡…」1500人以上拘禁・強制送還

新疆ウイグル自治区で苛酷な人権弾圧を行っていると疑惑される中国政府が、海外のウイグル人を追跡し、本国に送還させている。 

▲ 昨年3月、アメリカニューヨークで開かれた「ウイグルに自由を」の集会でデモ隊がプラカートを持って立っている。デモ隊はジョー・バイデン アメリカ大統領に「経済的圧力などをウイグル族の大量虐殺に対抗して戦うこと」を促した。AFP 聯合ニュース

アメリカNBC放送が25日（現地時間）報じたところによると、中国政府のムスリム少数民族弾圧に対する批判を取り締まるためのウイグル人捜索作業はサウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦（UAE）などの協力の下で行われている。

NBCが引用したアメリカ ウッドロー・ウィルソン・センター傘下のキッシンジャー米中関係研究所の新規報告書「鋼鉄万里の長城」（Great Wall of Steel）には、中国国家安全部が中東と北アフリカ諸国の助けを借りて世界各地でウイグル人を抑留し送還するなど弾圧情況が詳しく記録されている。

報告書によると、中国外部のウイグル人約5500人余りが中国政府の標的になり、中国に残っている家族はサイバー攻撃と脅迫を受けた。1500人以上のウイグル人は捕まり拘禁されたり、中国に強制送還された。送還された彼らは監禁状態で拷問を受けることになると報告書は説明した。

今月13日、サウジアラビアはウイグル族の女性と13歳の娘を中国に強制追放した。子どもの父親と別のウイグル人はサウジアラビアに拘禁されているが、正式に起訴されたかどうかは明確でないとNBCは伝えた。

イスラム国家のサウジアラビアなどが中国のウイグル族弾圧に協力するのは、中国の圧力のためだ。

人類学者のエイドリアン・ゼンツは、中国政府が強力な経済力とインフラ建設という贈り物を武器に、ウイグル族の逆境に同情心を持てるムスリム人口が多く住んでいる国家に圧力をかけていると主張した。

同氏は「ウイグル族に対する中国の待遇をムスリムたちがどう思うのか、中国政府はかなり恐れていて、これらイスラム国家の政府と世論に影響を及ぼそうと格別の努力を傾けてきた」と話した。

▲ 中国新疆・ウイグル自治区の職業訓練所の様子

国際人権団体やアメリカなど西側陣営は、新疆地域で中国当局がウイグル族とムスリム少数民族を弾圧しているという疑惑を絶えず提起してきた。

ウイグル族100万人以上を強制収容所に監禁し、強制労働させたという暴露などが出たが、中国政府はこのような主張をずっと否認している。

（翻訳：SAORI記者）